書き出し
- ある日ある朝ある道で。
- 頭抱えて三時間じっくり考え込んだ結果僕は、
- そこはあまりにも暗すぎたから逃げるほかなかった。
- マグロの刺身と生肉を間違えたのが始まり。
- 花が牙を向くから踏みつけたんだ。
- 顔のない精霊がつんざくような叫び声を上げた。
- いつまでも母胎の中で眠らせて。
- 泣きながら祈りの言葉にならない言葉を叫ぶ。
- 牙と爪の硬い音が数センチ先から聞こえていた。
- ページをめくる音が途絶えたある暖かな午後。
- だって今日はね、
- 犬の散歩に行ってくるよ。
- よく冷えたある冬の午後。
- ああどうか、どうか願わくば。
- あやふやなまま見なかったことにできなくもないけど、