書き出し

  1. ある日ある朝ある道で。
  2. 頭抱えて三時間じっくり考え込んだ結果僕は、
  3. そこはあまりにも暗すぎたから逃げるほかなかった。
  4. マグロの刺身と生肉を間違えたのが始まり。
  5. 花が牙を向くから踏みつけたんだ。
  6. 顔のない精霊がつんざくような叫び声を上げた。
  7. いつまでも母胎の中で眠らせて。
  8. 泣きながら祈りの言葉にならない言葉を叫ぶ。
  9. 牙と爪の硬い音が数センチ先から聞こえていた。
  10. ページをめくる音が途絶えたある暖かな午後。
  11. だって今日はね、
  12. 犬の散歩に行ってくるよ。
  13. よく冷えたある冬の午後。
  14. ああどうか、どうか願わくば。
  15. あやふやなまま見なかったことにできなくもないけど、